[CSS] CSSの公式ロゴが誕生
CSSに公式ロゴが誕生しました。
この記事では、ロゴ誕生の経緯やデザインに込められた思いをご紹介します。
誕生の経緯
CSSには、これまで公式のロゴが存在していませんでした。
「CSS3」として知られる盾型デザインは、CSS言語のロゴとして10年以上親しまれてきましたが、CSSが進化し、機能が増え続ける中でも、中央に大きく「3」が描かれたデザインはそのままでした。
これを受けて、CSS-Next Community Groupは、CSS全体を表現し、バージョン3に限定されない新しいロゴの採用に着手しました。
コミュニティ内でロゴ案を募集し、ユーザーによる投票を実施。その結果、最多票を獲得したJavi Aguilar氏のデザイン案をもとに、試行錯誤を重ね、新しい公式ロゴが誕生しました。
ロゴの設計基準
新しいCSSロゴは、以下の設計基準を満たしています。
・白黒でも認識可能
・バージョン番号の有無にかかわらず機能する
・小さなサイズでも視認性を維持
・非常に小さいテキストサイズ(例: 12px)でも、色と形で識別可能
・SVG形式およびCSSのみの形式で表現可能
・他のコミュニティロゴ(例: JS、WebAssembly)やブランドロゴ(例: TypeScript)との調和
デザインの特徴
このロゴには、CSSとWebデザインに対する深い配慮が込められています。
・微妙に丸みを帯びた角
ロゴの形状はツールチップやポップアップ要素に似ており、CSS開発者が直面してきた課題を象徴しています。
例えば、Anchor PositioningやHTML Popover APIといった最新仕様によって、これらの要素のスタイリングが容易になり、CSSが進化していることを表現しています。
・時代を超えた汎用性
このロゴはさまざまな形式やメディアで機能する汎用性を備えています。
また、CSSがブランドではなくテクノロジーであるという本質が、デザインのシンプルさを通じて表現されています。
・他のロゴとの調和
JSやWebAssemblyなど、他のWeb関連技術のロゴと調和するデザインが意識されています。
3つのカラーバリエーション
新しいロゴには、以下の3つのカラーバリエーションがあります。
・メイン
・ライト
・ダーク
ロゴはGitHubで公開されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
「rebeccapurple」に込められた思い
「メイン」に使用されている紫色(#663399)は、「rebeccapurple(レベッカパープル)」と呼ばれる特別な色です。
この色は、CSSとWeb開発の先駆者であるEric Meyer氏の娘、Rebecca Alison Meyerさんへの追悼の意が込められています。
Rebeccaさんは6歳の誕生日を迎えたわずか12時間後に脳腫瘍で亡くなりました。
この出来事を受け、Webコミュニティでは追悼キャンペーンが行われ、彼女の思い出を永遠に刻むため、彼女が好きだった紫色に名前をつける提案が生まれました。
当初は「beccapurple」という名前が検討されましたが、Eric氏によれば、Rebeccaさんは生前、「 “Becca” は赤ちゃんの名前なので、6歳になったら “Rebecca” と呼んでほしい」と望んだため、「rebeccapurple」という名前が採用されました。
この色はCSSの公式カラーリストに追加されており、color: rebeccapurple;として使用できます。
新しいCSSロゴは、単なるデザインの刷新にとどまらず、技術の進化とコミュニティの絆を象徴しています。